うちの介護手帖

頚髄損傷で四肢麻痺の父を自宅介護しています。慣れない介護をしながらも 豊かな暮らしを不器用に目指して、自宅介護をデザインしていきます。

Hey siri, don't make it bad

もし父が怪我をしたのが10年前なら生活は全然違っていただろうなと感じるのは、
コンピューターテクノロジーの充実度が比較にならないからです。
 
不自由なく使えるのは、首より上だけ。首を大きく傾けたり、左右を向いたりするのも難しい。
目を動きや脳波でコンピューターを制御する技術を見聞きしたことはある。NHKワールドビジネスサテライトはそういった新しい技術を紹介するけれど、私が手に取れるほどに普遍化されている訳ではない。
 
でも、音声操作はとても身近な時代になりました。
特にアップルのsiriはすばらしい。
音楽を聴くのも、ボリュームを変えるのも、ぜんぶ口で頼めばやってくれる。多少の滑舌の悪さも、ものとしない。音声操作アプリはいくつかあるけれど、関西弁のイントネーションのせいか言葉を正しく認識してくれないアプリも多いです。
なにはともあれ、siriに助けられています。
 
できない事が増える中で、行動の多くを人に頼まざるを得ない状況で、何か「自分でできる事」は重要です。
人に頼むってことは、伝言ゲームようにタイムラグができる、正確性が失われる。
そこにいらつく事もあると思います。
自分の手で成し遂げられない不甲斐なさも悔しいかもしれない。
 
たとえ音楽のプレーヤーの電源を入れるだけでも、
電話をかけるだけでも、
自分で出来ることを増やしていく事は、メンタル面での回復に繋がるはずです。
 

父ちゃん、siriと仲良くがんばってね

f:id:tabisakide:20170127220405j:plain